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福島第一原発の現場の被ばく線量管理に問題があるのは「何故か」

緊急時ずさん管理露呈
「原発作業員、続く所在不明-被曝検査65人受けず」
と題した2011.9.19、日本経済新聞朝刊記事は、次のような実態を明らかにしている。


>>> 東京電力福島第1原子力発電所の事故は、半年たってなお収束のめどが立たない。

3機の原子炉が炉心溶融する未曽有の事態を受け、これまで1万人を超える作業員が危険な作業に従事した。

しかし、極度の混乱の裏で作業員の労務管理は置き去りにされ、今も被曝(ひばく)線量検査を受けないまま行方が分からない作業員が65人もいる異常事態となっている。

---65人の内訳は
○ 3月の緊急作業に従事した作業員のうち、4人は今も不明。
○ 4~6月の緊急作業でも計61人と連絡が取れず、2011.9.16現在、計65人が検査を受けないまま。
ということのようだ。


日経新聞記事はいう「なぜこんな事態が起きたのか。」

(背景)

(1) 平常時、原発内で作業する場合は財団法人「放射線影響協会」が発行し、被曝量や健康診断結果などを記載する「放射線管理手帳」を取得して放射線管理区域に入る。誰が、どの程度被曝したかは仕組み上は把握できる。

(2) だが事故後の福島第1では、当初は手帳を取得しないまま緊急作業が展開され、作業員を把握する手段は「線量計貸し出し記録」だけだった。
 作業員が社名と名前、自ら測った1日の被曝線量を紙に書き込む簡単なものだった。
 書き方は統一されず、下請け業者の所属なのに元請け業者の社名を書いたり、片仮名で名字だけ書いたりするなど、被曝線量の記録が誰のものか分からないケースが続出した。

(3) カード型の作業員証が発行され、氏名と社名がデータ管理されるようになったのは構内の免震重要棟に出入りする作業員の場合で4月6日。

(4) 前線基地のJヴィレッジ(福島県楢葉町)では6月16日に(本格化し)、7月の所在不明者はゼロになった。

(しかし)

記事は、

 6月末時点で、福島第1原発の敷地内で作業に当たるのは発注者の東電を除き502社。うち日立製作所や東芝など大手のプラントメーカーや建設会社などの元請け業者は26社。残る476社はすべて中小零細の下請け業者だ。

 福島第1では原子炉の安定だけでなく、がれき処理やプラントの修復など様々な作業が必要とされる。

 同じプラントでも配管と配線では作業内容も必要な資格も違い、下請け業者も異なる。管理を徹底することは容易ではない。<<<

と指摘している。



[編注,コメント]

 この日経の記事は、杜撰な管理の実態と背景がよく整理されており、参考になったが、

 (1+26+476=503社)
総事業者数は、東電を含め503社。これに所属し福島第一原発に出入りする作業者の「被ばく線量管理を徹底するのは容易ではない」?

容易ではないという理由が、この記事からは胸に「ストン」と落ちない。

何があるのか

○ 出入りする作業員の意識や自覚が低くて、ルール破りが横行するような実態にあるのか

○ 作業員教育が不十分だったり、そのやり方に問題があるのか?

この辺りのこと(原因が)が、よく、わからない。

 日経の記事は、最後を、

 「事故前まで東電の3次下請けとして、作業員を派遣していた福島県内の建設会社社長は「(現状では)作業員全員の健康状態まで東電や元請け業者が把握するのは不可能だ」と言い切る。」として(記事を)締めているが、全員の健康状態の把握?、当面、そこまでは求めないから、「全員の被ばく線量の把握」は、しっかりやってほしいし、

 やれないと云うのは、言いわけでしかないだろう。

 もし、作業者の自覚が低いか、作業者安全教育に問題があるのであれば、チェックが急務だろう。



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